通常、脳梗塞や肺炎などその症状により集中的に医療を受ける必要がある場合には、入院することが一般的である。しかし、病気や怪我の急性期を過ぎていて悪化する状態でなかったり、要支援・要介護の人は在宅介護が可能になる。経管栄養など自宅での療養が可能なケースでは、医師や看護師の指導のもと、家族のサポートにより自宅で安心して医療を受けることを勧められるケースも多い。
在宅介護をすることになると、今まで通院や入院をしていた負担を軽減することができる。大きな病院であればあるほど、その待ち時間の長さや移動などで大変さを感じる要介護者も多い。訪問介護では、訪問介護専門のスタッフが定期的に自宅に訪問してくれて、緊急時の対応もあるため安心して利用できる。
また、介護保険制度を利用することで、自己負担額を抑えることもできる。入院時には高額になりがちな医療費も、削減することができるのだ。さらに、要介護者が住みなれた自宅に戻って生活を続けられる安心感から、ADL向上が期待できる。
在宅介護でのデメリットは、家族の負担が大きくなるという点が挙げられる。食事など生活の全てを世話する必要が出てくるので家族の協力は不可欠で、仕事をしながらの介護という場合にはさらに負担が増えてしまう。訪問介護でできる処置は限られているため、緊急時には救急車を要請しなければならない。すぐに必要な機器があり専門スタッフがいる病院や介護施設と比べると、やはり自宅での在宅介護は緊急時に不安が残る。