介護にあたる家族に対する気配りも重要

親の介護が必要になると家族の中の誰かが主に担当するというケースが多く、大抵の家庭では介護が必要な人の娘や息子、あるいはその配偶者が対応している。最初のうちは親孝行の一環だと考えて家族介護にあたれるものの、それが長期化するうちに次第に心身が疲弊してしまうようになる。そして徐々に体調にも影響してくるようになり、何とかして負担軽減をしなければならないという認識が生まれてくるケースが多くなっているのが現状だ。

ただ、介護をしている本人としては、まだ頑張れると思って努力を続けていることも少なくない。先に負担軽減を検討し始めるのが他の家族ということが多い。体調不良を来している様子を見て、本当は介護を続けることに疲弊を感じているということを周囲が察するのだ。そして、改善策を打診するという流れになるパターンは、決して珍しくないのである。

長く介護をしていると体調が悪くなっているのに本人は全く気づかず、ようやく周囲が気づいたときに何か対策をしなければならないという動きが生まれることもよくある。このような形で周囲が気を払っていないと、本当に体調を崩してしまった頃にようやく負担軽減を検討し始めることになりかねない。

介護を主に担当するのは一人であったとしても、周囲が常にその人の体調を気にかけることが重要だ。それによって施設や訪問サービスを利用すべきではないかといった考え方が生まれ、負担を減らしながらも親にも満足してもらえる形で介護を続けられるようになるのだ。